温州ミカンの着果負担に関する研究 (第1報) : 葉および茎の浸透価, 溶質比, 可溶性固形物含量, 含水量などの日および季節的変化について
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概要
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温州ミカンの体内の水状態をあらわす指標として, 葉および茎の搾汁液の浸透価, 溶質比, 可溶性固形物含量, 含水率などの日変化, 季節変化を測定し, 果実着生の有無あるいは隔年結果性との関係において検討を行ない, 以下の結果を得た.1. 葉や茎の浸透価は1日の中で午後2〜4時に最高に達し, その後減少し午前6時に最低となつた. この日変化のパターンは四季を通じて同じであつた. 午前10時に採取した材料について季節変化を見ると, 浸透価は夏に最低を示し, 以後次第に上昇して1〜2月に最高となつた.2. 溶質比の日変化は茎•葉ともに約1molの振幅でしか変化しなかつた. また, 季節変化の振幅も同様であつた. さらに, 溶質比は夏期に低く, 冬期に高い数値を示し, これは夏半期は含水量に冬半期は浸透価に支配される傾向にあつた.浸透価の冬期の上昇は含水率の減少以外に溶質比の増加によるものと思われた.3. 果実着生の有無は浸透価に影響をおよぼし, 4年生の無着果樹と同年齢の着果樹について, 同じ時期に同じ器官を比較すると常に前者が高かつた.4. 隔年結果性のある成木において, 成り年の1年生葉の浸透価は7〜9月の間比較的低い価を示し, 果実収穫後これが顕著に増大した. 着果負担が多くかかつた隔年結果樹では, そうでない樹木に比べて2年生茎•葉の浸透価の秋冬期にかけての上昇期が顕著におくれ, 上限が低かつた.
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