日本産シャクナゲ‘オオバシャクナゲ’の不定根形成に関する研究 : (第1報)成木から採穂したさし木の条件とオーキシン処理が発根に及ぼす影響
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概要
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オオバシャクナゲについて, さし木条件とオーキシン処理による発根増進効果などを調査した. さし穂は山地に自生する成木から7月中旬に採取し, ミスト装置下でさし木した.1. さし床用土には鹿沼土•ピートモス, あるいは鹿沼土•赤玉土混合土 (7:3v/v) が発根に好適であり, 鹿沼土単用も適当であった. 鹿沼土•砂混合土, 黒ぼく畑土は不良であり, 鹿沼土•水苔混合土は枯死穂が多発し最も不良であった. さし木終了後の床土の物理性では鹿沼土•ピートモス混合土および鹿沼土は土壌孔げき率が高く, 保水力に富むことが認められた.2. 1年枝ざしよりも2年枝ざしで, 特に1年枝除去2年枝ざしで高い発根率が得られた. 発根に及ぼすさし穂あたり葉数の影響は3〜7枚の間に差異は無く, 葉数を5枚にしたかぎりでは葉半分切除による葉面積の制限は必要なかった.3. さし穂のIBA処理による発根増進効果は低いかあるいは認められなかったが, NAAmによる処理効果は高かった. 温湯とエチルアルコールによる前処理の効果は認められなかった.4. さし木後10〜30日以内にカルス形成が始まり, 30〜60日以内に発根が始まった. さし木後さし穂にカルスが形成されるとさし穂葉内乾物量は一時的に減少するが, その後増加し, 未発根でも生存し続けることが認められた.5. 最も高い発根率はNAAm処理した1年枝除去2年枝を, 鹿沼土•ピートモス混合土にさし木した場合の65%であった. 続いて, 1年枝を同じ床土にさし木して得られた53%と, 2年枝を鹿沼土•赤玉土混合土にさし木した場合の48%であった.以上のように, 発根率は高くなかったが, 未発根さし穂の多くはさかんにカルスを形成したので, 発根に関係するさし穂の生理要因と, さし木および環境条件の検討により発根増進の可能性があると考えられた.
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