シンビジウムの偽球茎への暗黒処理がえき芽の発育に及ぼす影響

概要

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シンビジウムの繁殖において,組織培養による変異は深刻な問題であるため,遺伝性が安定している株分けによる増殖法の改善を目的に,暗黒処理がバルブ(偽球茎)からのシュートの発生,バルブの発育および開花に及ぼす影響を明らかにした.バルブ以下の部分を5ヵ月間暗黒処理したところ,どの品種でもバルブからのシュート発生数が増加したことから,暗黒処理に著しいシュート発生促進効果が確認された.その効果はリードバルブで強く現れ,すべてのリードバルブからシュートが発生した.しかし,バルブ当たりのシュート数は2年生,1年生バックバルブの方がリードバルブより多かった.シュート数は暗黒処理中の6〜9月にわたって,継続的に増加したが,8月〜9月の間がもっとも多かった.暗黒処理は2年生および1年生バックバルブの葉の離脱を抑制し,発根の促進および既存の根を長期間健全に保つことが明らかになった.また,根数が多ければ多いほど発生したシュート数が多い傾向を示した.以上からバルブへの暗黒処理によって株分け増殖法の効率を通常の2倍程度に高めることが可能である.Cym. Hong Guiのみでバルブから花茎が発達し,開花した.しかし,シュート発生数の多いバルブでは花茎の発達は抑制された.
園芸学会の論文
1998-11-15

シンビジウムの偽球茎への暗黒処理がえき芽の発育に及ぼす影響

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