迅速応答性ナトリウムイオン選択性ガラス電極の動作特性とナトリウムの微量定量への応用
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概要
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直接電位差法により,微量のナトリウムを精密に定量する目的で新しい迅速応答性ナトリウムイオン選択性ガラス電極(Orion model 94-11A)の動作特性について検討した.応答速度に関しては他の市販品に比べやや良好であるが,むしろ構造上の特長として静電しゃへい効果が著しくすぐれており,このため測定値の再現性がよい点で精密測定に有利な条件を備えている.Nernst応答は[Na<SUP>+</SUP>]=10<SUP>-1</SUP>〜10<SUP>-4</SUP><I>M</I>の範囲においてよい直線性を保っているが,10<SUP>-4</SUP><I>M</I>以下ではかなり湾曲が著しくなる.微量分析に適合した濃度範囲10<SUP>-3</SUP>〜10<SUP>-4</SUP><I>M</I>では,測定値の回帰直線からのばらつきとしてσ=0.002(pNa)が得られた.本法をフラスコ燃焼に応用し,有機試料中のナトリウムの定量を試みたところ,白金網バスケットを試料ホルダーに用いる形式のものではナトリウムの白金への浸透により低い分析値を与え,石英ホルダーを用いることで解決できた.この方法で分析誤差のばらつきとしてσ=0.13(%)が得られた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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