1価陽イオン選択性電極による無機および有機物質中のカリウムの微量定量
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概要
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1価陽イオン選択性電極を用いてカリウムイオン溶液の起電力を精密に測定することにより,直接その濃度を求め,測定液中の微量のカリウムを定量することを試みた.まずこの電極の水素およびカリウムに対する選択特性の実測により,測定液のpH値はカリウム濃度のpK値より3単位高ければよいことが判明した.さらに電極電位の応答速度,対数濃度に対する応答の直線域,再現性などの検討によりカリウムイオン濃度10<SUP>-2</SUP>〜10<SUP>-4</SUP><I>M</I>の範囲が精密測定に適していることを知った.しかし微量分析では測定液量を50〜100m<I>l</I>としたとき,測定液の濃度範囲は10<SUP>-3</SUP>〜10<SUP>-4</SUP><I>M</I>となるが,10<SUP>-4</SUP><I>M</I>に近いところでわずかに検量線が曲がる傾向がある.この検量線の曲がりはNernst式に修正項を与えて近似させることができるので,この修正項を実験的に求め検量線を直線化した.<BR>本法をさらにフラスコ燃焼に応用し,有機物質中のカリウムの定量を試みた.ほぼ100%のカリウムの回収率が得られ,フタル酸水素カリウムまたは塩化カリウムを標準溶液に用いて検量すればよいことが確かめられた.本法によって数種の有機物中のカリウムを分析し,分析誤差の標準偏差としてσ=0.20(%)が得られた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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