ヨウ素の重量測定によるハロゲンおよびイオウの定量 : 有機微量分析の研究(第31報)
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概要
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加熱銀網に燃焼ガス中のハロゲンおよびイオウ酸化物を吸収せしめ,その増量を測定する.Stragand-Saffordの原法は,銀網表面に生成する各種銀化合物の共融現象のため,動作温度で融解し燃焼管壁に付着して銀網重量を著しく不安定にするのみでなく,特に増量が試料中のハロゲンの量そのものであるため,銀網のヒョウ量誤差が大きく分析結果に影響し,容易に安定な分析結果を得ることができない.<BR>燃焼管内に塩化バリウムおよびヨウ化銀粒を充てんして,それぞれを400~500℃,250℃に加熱し,そのあとにヨウ化銀と同程度の銀網を配置すると上記の欠陥が完全に除かれる.すなわち,試料の分解によって生成するイオウ酸化物は,まず塩化バリウムで当量の塩素となり,さらに,この塩素または試料中の塩素,臭素はヨウ化銀粒で全部当量のヨウ素に変換され,銀網は単にヨウ素のみを吸収すればよいことになる.銀のヨウ素吸収力は250℃で完全であるので,この場合,ヨウ化銀が燃焼管壁に融着するおそれはなく,銀網重量はきわめて安定するのみならず,塩素は約4倍,臭素は約2倍,イオウは約8倍の増量となるので,従来の方法よりはるかにヒョウ量誤差の影響が軽減されうる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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