ナトリウムイオン選択性ガラス電極の数種陽イオンに対する過渡応答特性

概要

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1価及び2価陽イオン濃度の急激な変化に対してナトリウムイオン選択性ガラス電極が示す応答特性について調査した.Na^+,Ag^+,Li^+に対してははじめの電位から新しい平衡電位に一方向に接近してゆくが,K^+,Ba^<2+>などに対しては一時的な電位飛躍を示すが,やがて時間とともに消滅してゆく.この電位飛躍の大きさは1価陽イオンの場合NH_4^+<C_s+<Rb^+,K^+,2価陽イオンではMg^<2+><Co^<2+>,Ni^<2+>,Zn^<2+><Ca^<2+><Mn^<2+><Sr^<2+><Cd^<2+><Cu^<2+><Ba^<2+><Pb^<2+>であった.過渡電位の消滅速度については2価陽イオンのほうが大きく,又おおむね電位飛躍の小さいものほど急速に平衡電位に近づいてゆくことが認められた.このような過渡応答は,電極膜表面の水和層中における拡散電位とガラス膜本体中における拡散電位が時差発現することによるものであり,イオンの易動度が両相において異なるとすることによって説明できる.
社団法人日本分析化学会の論文
1976-04-10