有機試料中のリンの定量のための低温灰化条件
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概要
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比較的低濃度のリンを含む有機試料を低温灰化法で酸化分解し,灰化物中のリン酸をバナトモリブデン比色法で定量することを試みた.燃焼中の試料温度(120〜200)℃の全範囲において,灰分中のリン酸はほとんど高温態のポリリン酸に変化しており,オルトリン酸としての回収率は極めて低く,このことは観測される試料温度に比べ,実際の燃焼点ははるかに高い温度にさらされたことを示唆している.生成したポリリン酸のオルトリン酸への加水分解にはPH0の強酸性で水浴上20分加熱することが必要であった.試料中のリン酸態のリンの回収率については低温灰化法はるつぼを用いる高温灰化法と比べて平均値として若干優れており,更に再現性については前者のほうがはるかによいことが認められた.又,有機リン化合物を含む試料では低温灰化法でも多少回収率が低下するが,高温灰化法ではほとんど回収できなかった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1977-10-05
著者
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