キレート剤としての粉末状ヒドロキサムセルロースの作製とその性質
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
炉紙粉末を二酸化窒素で酸化し、ヒドロキシルアミンでヒドロキサム酸化して得られるヒドロキサムセルロースは、セルロース基体にカルボキシル基の外にヒドロキサム酸基が導入されたキレート形成能をもつセルロースイオン交換体とみなされる。 このためヒドロキサムセルロースは鉄(III)、ウラン(VI)、バナジウム(V) と特有の呈色をなし、叉、塩化ナトリウムについて 1M、鉄(III) について1,0x10^<-6>M の溶液からの鉄捕集においてカルボキシセルロ一スよりも優れている。 溶液の pH は鉄捕集に大きく影響するが、pH 3 で捕集率はほぼ一定になる。 海水 200mL 中の鉄の約 80% を 0.1g のヒドロキサムセルロースに捕集することができる。 なお、炉紙粉末の酸化には二酸化窒素のほうが次亜臭素酸よりも優れており、カルボキシル基含有率が高くなる。
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1975-10-10
著者
-
村田 恵子
京都薬科大学
-
小辻 奎也
静岡大学理学部
-
林 滋彦
福井大学教育学部
-
村田 恵子
静岡大学理学部
-
谷 昌子
福井大学教育学部
-
林 滋彦
福井大学教育学部化学教室
-
小辻 奎也
福井医科大学化学教室
関連論文
- 抽出浮選/吸光光度法による血清中の亜鉛の定量(超微量分析のための前処理と予備濃縮)
- 有機試料中のリンの定量のための低温灰化条件
- キレート剤としての粉末状ヒドロキサムセルロースの作製とその性質
- アミノエチルカルバモイルセルロースの作製とその性質 : 水銀及びカドミウムの捕集
- ジチオカルボキシアミノエチルカルバモイルセルロースの作製とその性質 : 水銀(II)の捕集
- キサンテート化セファデックスの作製とその分析化学的応用
- ジチオカルボキシアミノエチルカルバモイルセルロースによる銅(II)の捕集
- 抽出浮選法を用いる微量銅の吸光光度定量
- ヒドロキサムロ紙クロマトグラフ法によるバナジウムのクロム,モリブデンからの分離 : ヒドロキサムロ紙によるクロマトグラフ分析法(II)
- 抽出浮選-吸光光度法による血清鉄の定量
- 抽出浮選-吸光光度法による血清銅の定量
- 架橋アガロースゲルのキサントゲン酸誘導体を用いる金属イオンの捕集
- キサンテート化セファデックスによる金属の捕集と分離
- ヒドロキサムセファデックスの作製とその性質
- 溶媒浮選法を用いる微量鉄の吸光光度定量
- キレート剤としての粉末状ヒドロキサムセルロースの作製とその性質
- ゲルマニウムの溶媒抽出吸光光度定量
- EDTAの存在におけるカドミウムまたは鉛アマルガムによるモリブデンおよびバナジウムの還元ならびに分別定量 : エチレンジアミン四酢酸を利用する金属の分析法に関する研究(III)
- エチレンジアミン四酢酸の存在における還元法を利用するモリブデンの定量 : エチレンジアミン四酢酸を利用する金属の分析法に関する研究(I)
- ヒドロキサムロ紙クロマトグラフ法によるウランの鉄,トリウムからの分離定量 : ヒドロキサムロ紙によるクロマトグラフ分析法(I)