キサンテート化セファデックスによる金属の捕集と分離
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概要
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キサンテート化セファデックス(以下X-Sephadexと略記)によるコバルト(II),ニッケル(II),亜鉛(II),カドミウム(II),水銀(II)及び鉛(II)の抽象に及ぼす塩類及び錯化剤の影響をバッチ法により検討し,これら金属の分離をバッチ法及びカラム法により行った.各金属は硝酸ナトリウム,塩化ナトリウム及び臭化ナトリウムの各1M溶液からほぼ完全に捕集された.水銀及び銅はそれぞれEDTAの1×10^<-1>M及び1×10^<-2>M溶液からほぼ完全に捕集されたが,他金属の捕集は1×10^<-5>Mにおいても不完全であった.5.00×10^<-4>mmolの水銀又は銅を含み,それぞれpH 1.5〜2.3又は2.1〜4.1の各溶液の500mlからバッチ法により水銀又は銅をX-Sephadex(0.1g)に捕集し,〓した上澄液から共存する5.00×10^<-4>mmolのコバルト,ニッケル,カドミウム又は鉛をそれぞれpH10.3〜10.6, 10.2〜10.3, 5.0〜5.5又は4.6〜5.2で,新たなX-Sephadex(0.1g)に捕集した後,金属を捕集したX-Sephadexのそれぞれを濃塩酸に溶解して水銀又は銅と他金属とを分離定量し,良好な結果を得た.更に水銀,鉛及びコバルトの混合溶液からそれぞれpH 2.0, 5.2及び10.3で同じ操作を繰り返して3金属を分離定量することができた.次にカラム法により,5.00×10^<-4>mmolの銅とカドミウム又は鉛を含むpH 6.3〜6.5の混合溶液の500mlを外管付きカラム中のX-Sephadex層を通した後,1×10^<-2>M EDTA溶液でカドミウム又は鉛を溶離し,次いでカラムに30%過酸化水素水(0.5ml)と18N硫酸(2ml)とを加え,外管に熱水を通じて銅を捕集したX-Sephadexを加熱溶解することにより,銅とカドミウム又は鉛を良好に分離することができた.水銀とカドミウムとの分離についても良好な結果が得られた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1982-12-05
著者
-
青山 絹代
福井大学教育地域科学部
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林 滋彦
福井大学教育学部
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林 滋彦
福井大学教育学部化学教室
-
小辻 奎也
福井医科大学化学教室
-
八田 和子
福井大学教育学部化学教室
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青山 絹代
福井大学教育学部化学教室
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