非分散赤外計を用いる有機酸素定量法の自動化
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概要
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有機酸素定量分析の迅速自動化をはかる目的で,携帯用簡易形非分散赤外計を炭水窒素自動分析計CHNコーダーの機構に結合し,試料熱分解ガスを白金炭素粒に接触させて得られる一酸化炭素を定量ボンプに吸引したのち,赤外計に押し出して,赤外計の応答を自動記録させた.定量ポンプ内における一酸化炭素のmol/vol濃度は気圧および温度に関係なく一定であり,気圧補正も温度補正も不要であるが,簡易形赤外計を室温で作動させたとき,定量ポンプとの温度差の変動はガスの収縮,膨張にともなう検出感度の変化を与え,試料中の酸素量800μgのとき,1℃の変動は4μgの誤差を与える.赤外計の検出器を取り出し,定量ポンプと同一の恒温そうに収容することでこの誤差は消去できるが,なお検出器の温度変化は光源フィラメント温度,振動コンデンサーの作動条件などに微妙な影響を与え,実測によると1℃あたり20μgの変化を記録した.有機定量分析の要求精度から算定すると検出器,ポンプを収容する恒温そうは±0.1℃以上の精密制御が必要である.なお,簡易形赤外計は低出力レベルでの直線性がなく,ベールの法則からはずれてややS字形の出力特性を有するが,湾曲の反転域でかなりよい直線性が得られ,この部分を検量に利用することで酸素量と応答出力を比例させ,計算処理をきわめて簡単とした.本装置は1分析あたり13分で連続自動記録が可能であり,分析誤差の不偏分散平方根として0.18(%)が得られた.
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