差動熱伝導度法による炭水窒素自動分析計の計測誤差に関する統計解析

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差動熱伝導度法による炭水窒素自動分析計CHNコーダーMT-2形において,標準条件に設定したときの分析精度を統計的に解析し,分析誤差の構成因子を分散の形の寄与で量的に比較した.誤差源を分類して,A)試料の計量誤差,B)バーグラムの読み取り誤差,C)気圧の変動,D)検出器恒温そう温度の変動,E)基準信号の変動,F)ブリッジ供給電圧の変動,G)その他の誤差因子,としたときA)~E)の累計よりF),G)の合計のほうが数倍大きいことが認められた.ブリッジに電圧を供給している出力可変形定電圧直流電源の精度は出力電圧を上げることで相対変動率を小さくすることができるので,ブリッジ供給電圧を2.1Vから6.7Vに,ブリッジ電流を73mAから200mAとして信号出力を記録計入力端で減衰させたところ,著しい分析精度の向上がみられ,F),G)の合計は約1/4に減少した.さらに電圧精度の向上と電流増加によるS/N比の改善の効果を分離したところ,両者はほぼ対等の寄与をしていることが判明した.電流の大小と検量線の直線性との関連について回帰分析を行なったところ,炭素量0~3mgの範囲においていずれもよい直線性を示し,回帰直線からのばらつきにおいては電流の大きいほうが若干減少の傾向を示した.元素組成の著しく異なる物質の間で,一方で得た検量値を他方の分析計算に用いたときの誤差のばらつきについては統計的なかたよった傾向を見いだすことができなかった.

差動熱伝導度法による炭水窒素自動分析計の計測誤差に関する統計解析

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