血清プラズマ分画成分の機能特性

概要

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プラズマの有効利用の観点からプラズマの分画を行ない,その分画成分の一般的性状を調べ,さらに主要な機能特性を測定して,プラズマの機能特性発現への影響を検討した.また,プラズマの分画成分についてオミッションテストを実施した.その結果,プラズマの分画成分は,タンパク含量の高い粉末として得られ,食品衛生の点では問題は認められなかった.水溶解性については,各分画成分共無塩区ではpH5.0,またはpH6.0で最小値を示したが,加塩区ではpHの上昇に伴い,わずかに増加傾向を示した.乳化性については,各分画成分共無塩区ではpH4.0で最小値を示したが,加塩区ではpHによる影響を受けず殆んど変化がなかった.加熱ゲル化性については,各分画成分共無塩区ではpH6.0〜7.0で最大値を示したが,加塩区ではpHの上昇に伴い漸次増加傾向を示した.FIだけは,無塩区,加塩区とも同じ傾向であった.また,ソーセージエマルジョンに相当する加塩pH6.0で,乳化性ではFII+IIIとFV,加熱ゲル化性ではFI,FII+III,FVとがプラズマの機能特性発現に関与していることを示唆した.このことは,合成プラズマのオミッションテストでも確認された.
社団法人日本畜産学会の論文