カダベリンとヒポキサンチンの測定による牛肉の中温熟成管理
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概要
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牛サーロインを試料とし,真空包装後,2°C,10°C,20°Cの各温度で熟成を行ない,細菌数pH,ジアミン,ATP関連化合物,遊離アミノ酸,筋原線維小片化率を経時的に測定した.(1) 細菌数が107個/cm2に到達したのは,20°Cで2日目,10°Cで7日目,2°Cで23日目であった.官能評価で初期腐敗と判定されたのは,20°Cで2日目,10°Cで8日目,2°Cで27日目であった.(2) ジアミン量の変化は,20°Cで2日目にカダベリン(Cad)が,3日目にプトレシン(Put)が検出された.10°Cでは7日目にCad,9日目にPutが検出され,2°Cでは29日目までに両ジアミンの生成,増加はなかった.(3) ATP関連化合物,遊離アミノ酸,筋原線維小片化率は熟成温度を上げるに従って,速い変化を示した.また,K値およびヒポキサンチン量は直線的な増加が見られた.(4) 以上の結果から,10°Cにおいては,Cadを初期腐敗指標,ヒポキサンチンを熟成経過日数の判定指標とすることによる熟成管理の可能性が示された.
著者
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中村 豊郎
伊藤ハム株式会社
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矢野 幸男
伊藤ハム(株)中央研究所
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矢野 幸男
伊藤ハム株式会社
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村山 文江
伊藤ハム株式会社中央研究所
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潟保 信子
伊藤ハム株式会社中央研究所
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立花 美乃
伊藤ハム株式会社中央研究所
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