食品添加物ホホバロウ成分の LC/MS/MS を用いた分析
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概要
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天然の食品添加物,ホホバロウの成分はいまだ明らかにされておらず,その種類と含有量を調べることは,添加物としての規格基準設定のため重要である.LC/MSで主に6ピークが観察され,このうち,主要4ピークを分取LC/MSにより分画し,加水分解および誘導体化後GC/MSで調べたところ,各分取ピークは分子量が同一で構成脂肪酸の異なる種々のエステルを含むことが分かった.また,各エステルの絶対含量を調べるため,LC/MS/MSを用いる分析法を検討したところ,構成脂肪酸由来のプロダクトイオンを測定することで,加水分解や誘導体化などの前処理を行わずに,直接,特定の脂肪酸組成を有するエステルを判別・定量できることを新たに見いだした.この方法を用いて定量を行い,イコセン酸イコセニル(21.4%)およびイコセン酸ドコセニル(37.8%)がホホバロウの主成分であることが分かった.
著者
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山崎 壮
国立医薬品食品衛生研究所
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棚元 憲一
国立医薬品食品衛生研究所
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佐藤 恭子
国立医薬品食品衛生研究所
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杉本 直樹
国立医薬品食品衛生研究所
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多田 敦子
国立医薬品食品衛生研究所
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金 哲龍
国立医薬品食品衛生研究所
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山崎 壮
実践女子大学
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