Studies on Paralytic Shellfish Poison (PSP) Toxification of Bivalves, in Association with Appearance of Alexandrium tamarense, in Hiroshima Bay, Hiroshima Prefecture
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概要
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In April, 1992, paralytic toxicity substantially exceeding the quarantine limit of 4MU/g edible part as paralytic shellfish poison (PSP) was detected in cultured oyster Crassostrea gigas, mussel Mytilus edulis and short-necked clam Tapes (Amygdala) japonica from Hiroshima Bay, Hiroshima Prefecture concomitantly with the appearance of the toxic dinoflagellate Alexandrium tamarense. The toxicities were 31.4MU/g for oyster, 214.6MU/g for mussel and 20.3MU/g for short-necked clam on 22nd April.Attempts were made to identify the paralytic toxin in these bivalves. They were extracted with 80% ethanol (pH 3.5), followed by defatting with dichloromethane. The aqueous layer obtained was ultrafiltered through a Diaflo YM-2 membrane (Amicon) to eliminate substances of more than 1, 000 daltons, treated with activated charcoal and then applied to a Sep-Pak C18 cartridge (Waters). The unbound toxic fraction was analyzed by HPLC. In gonyautoxin (GTX) analysis of each toxin, protogonyautoxin-1, 2 (PX1, 2; epi-GTX8, GTX8; C1, 2), GTX4, GTX1, GTX3 and GTX2 were detected. In saxitoxin (STX) analysis, a small peak of STX was detected in mussel and short-necked clam toxin, but not in the oyster toxin. Consequently, the toxin of the bivalves in Hiroshima Bay was found to be comprised of GTX1-4 as the major components, which accounted for approximately 92-95% (mole ratio) of all components, with a trace of STX. In all cases, GTX1 was the major component (approximately 51-55%; mole ratio). On the other hand, the content of PX1, 2, which are N-sulfocarbamoyl derivatives, was 1.6-4.5% (mole ratio) irrespective of the sample.It was concluded from these results that the toxin of the above bivalves collected in Hiroshima Bay in April, 1992 consisted predominantly of PSP, possibly derived from the toxic plankton A. tamarense detected there.1992年4月, 広島湾産養殖マガキ, ムラサキイガイ及びアサリから高い麻痺毒性が検出された. これらをそれぞれ80%エタノール (pH 3.5) で抽出し, 脱脂後, 限外ろ過, 活性炭及びSep-Pak C18カートリッジ処理した. HPLC分析した結果, マガキ, ムラサキイガイ及びアサリに含まれる麻痺毒はいずれもゴニオトキシン-1 (GTX1) を51~55% (mol%) 含む麻痺性貝毒 (PSP) であることが判明した. その他にGTX2,3,4, 更にムラサキイガイ及びアサリには微量のサキシトキシン (STX) が検出された. また, プロトゴニオトキシン-1,2 (PX1,2) も1.6~4.5% (mol%) 含まれることが明らかとなった.
- 日本食品衛生学会の論文
著者
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野口 玉雄
東京医療保健大学医療保健学部
-
宮澤 啓輔
広大生物生産
-
浅川 学
広島大学大学院生物圏科学研究科
-
宮澤 啓輔
広島大学生物生産学部
-
浅川 学
長崎大学 大学院生産科学研究科
-
野口 玉雄
東京医療保健大学
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