<原著>空間布置課題における成人聾者の手話表現
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概要
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本研究は、成人聾者の空間布置における参照点の使用について、手話での記述の特徴を検討することを目的とした。被験者は、手話言語を第1言語とする9名の成人聾者であった。課題は、ミニチュアの部屋の中におかれた家具を呈示布置とし、それらの家具の位置を、手話空間内に再構成させるものであった。実験の結果、成人聾者は、統語として用いられる空間の使用とは異なり、呈示布置をそのまま位置づけて表現する形を用い、空間内での家具の位置関係を正確に再現させることがわかった。そして、ある家具の位置を表現する際、近接する家具がある場合にはそれを参照点とし、ない場合には壁面やドアなどを参照点として用いていた。また、類辞や非手指動作、指さしを効果的に用いて空間配置の維持を行っていることが明らかになった。
- 筑波大学心身障害学系の論文
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