聴覚障害者の母音構音の音響的特徴 : 母音ホルマント周波数の変動値を指標として
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概要
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聴覚障害児・者は舌の可動性が不十分なため、構音点の前後移動が大きい語音ほどその対応が難しく、構音の安定性に欠けると思われる。本研究では、VCV構造を有する2音節無意味語/ipi/、/apa/、/upu/の3語を用い、VCV構造のfinal vowelの構音の安定性について検討した。両側感音難聴の成人男性5名と、健聴成人男性6名を対象とし、各音声サンプルにつき5回の発声を行い、その発声から第1〜第4ホルマント(以下F_1〜F_4)を求め、トライアル内変動値(Ta)とトライアル間変動値(Tb)を算出した。結果は以下のとおりである。(1)聴覚障害者群は両変動値ともに大きな値を示し、個人差が大であった。(2)聴覚障害者群のTbにおいて、F_1で/apa/の変動が、また、F_2で/ipi/、/upu/の変動が大であった。(3)被験者両群ともに、TaにおいてF_1の変動が大であった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1987-09-14
著者
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