感音難聴児の時間分割語音の識別
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概要
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本研究は、難聴児の語音知覚における音響的情報の利用の仕方を検討したものである。8-14歳の難聴児と健聴児を対象に、周期的音響特徴を持つ母音と非周期的音響特徴を含むCV(consonant-vowel)音節を持続時間を変数として呈示したときの識別率、異聴傾向、情報量を分析した。その結果、母音の識別では、難聴児は健聴児と同様に第1、第2ホルマントの相対的パタンを利用していた。情報量をみると、刺激の持続時間が50ms以上であっても情報処理が不充分であった。CV音節の識別では、健聴児にあっては非周期的音響特徴をCV音節の識別に充分に利用していた。難聴児にあっては非周期的音響特徴のみをCV音節の識別に利用するのは困難であるが、母音と隣接する文脈効果によって子音の知覚を成立させていた。情報量をみると、難聴児は曖昧度が大きく、語音カテゴリーが不明確であった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1987-03-30
著者
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