「聾」に関する社会学的研究の可能性と展望

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概要

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近年､手話言語学の進展に伴い､聾者を社会学的視点から捉えた研究が見られる｡本稿はそれらを①文化人類学的アプローチ､②自叙伝的アプローチ､③社会構成主義アプローチの3つに分類し､それぞれの意義と今後の研究課題を提示した｡①はコミュニティの外部にいる聴者が記述するのに対し､②は内部にいる聾者が記述する点に両者の違いがある｡しかしどちらも聾を民族的視点から捉えている点で共通しているが､③の場合､人々が聾をどう捉えるかという､人々の定義活動を記述するという点で､視点が異なる｡これらの研究の意義は｢聾｣が人々によって捉え方が異なることを示し､従来の病理学的な聾者観を相対化させたことにある｡つまり､｢聾｣が聴者の専門館によって病理学的に｢障害｣として構築されていること､そして聾者自身は｢聾｣を｢障害｣として捉えていないことが明らかになったことにある｡
筑波大学の論文
1999-02-15

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