ビフィズス菌酵素を利用したオリゴ糖の実用的調製法(糖質関連酸素化学シンポジウム)
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概要
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ビフィズス菌の菌体内にガラクト-N-ビオース(GNB,Galβ1,3GalNAc)およびラクト-N-ビオースI(LNB,Galβ1,3GlcNAc)を選択的に代謝するGNB/LNB経路を発見した。GNB/LNB経路に含まれる酵素群およびそのホモログを用いた実用的なオリゴ糖調製法について報告する。スクロースとGlcNAcを基質として,β-1,3-ガラクトシル-N-アセチルヘキソサミンホスホリラーゼ(GLNBP)を含む四種類の酵素を同時に作用させることによりLNBを高収率にて調製した。LNB調製原料のGlcNAcをGalNAcに変更することによりGNBを大量調製した。GlcNAcを原料にしてGNB/LNB経路に含まれる三種類の酵素を触媒量のATPおよびUDP-Glcの存在下に同時に作用させることにより,変換率約30%でGalNAcの調製に成功した。LNB/GNBの熱分解反応によりN-アセチルヘキソサミン1脱水物を高収率で調製した。LNBの調製法のGLNBPをβ-1,4-ガラクトシル-L-ラムノース(GalRha)ホスホリラーゼ(GalRhaP)に,GlcNAcをL-ラムノースに変更することにより新規オリゴ糖GalRhaを大量調製した。
- 2012-05-20
著者
-
北岡 本光
(独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
-
西本 完
(独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
-
西本 完
食総研
-
北岡 本光
(独)食品総合研究所酵素機能研究室
-
Chiku Kazuhiro
Department Of Advanced Bioresource Science Graduate School Of Science And Technology
-
中島 将博
(独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
-
井上 公輔
(独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
-
知久 和寛
(独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
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