中枢性過換気を来たした中枢神経原発悪性リンパ腫

概要

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68歳男性。失調性歩行が出現し他院で脳腫瘍を指摘され当院を受診した。脳MRにて右側の小脳脚、小脳半球、橋、中脳、視床下部、視床に病変を認め開頭生検術にて非ホジキンリンパ腫(diffuse large B-cell type)と診断され、メトトレキサート大量療法を含む化学療法を開始された。Day 2から過換気(呼吸数28〜32回/分)が出現し動脈血液ガス分析ではpH 7.564, PaCO2 11.4 mmHg, PaO2 132.9 mmHg, HCO3 10.4 mmol/lであった。HCO3の補正を目的にペーパーバッグ療法を併用しながら血液透析を施行したが改善しなかった。過換気の原因として心臓、肺、代謝性、心因性、いずれの異常も否定されたため、腫瘍による中枢性過換気と診断した。Day 4に化学療法を中止したが、ペーパーバッグ療法では改善が無く、day 6より硫酸モルヒネを使用したところ改善(呼吸数19〜22回/分)しほぼ正常化した。しかし、day 9にモルヒネを中止すると再燃したため、day 10から再開し再度軽快した。その後、day 14にペーパーバッグ療法、day 21に硫酸モルヒネを中止したが過換気は再燃しなかった。,中枢性過換気は稀な病態であり、過去の報告では発生部位は橋、延髄が多く、診断はリンパ腫、神経膠腫が多い。我々は脳腫瘍による既報告例を検討しその病態生理を考察した。
2013-03-31

中枢性過換気を来たした中枢神経原発悪性リンパ腫

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