骨髄異形成症候群における20番染色体長腕欠失の臨床的、生物学的意義
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概要
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骨髄異形成症候群(Myelodysplastic syndromes:MDS)は、無効造血による血球減少と腫瘍性の芽球の増生を伴うという二つの側面を持ち、急性白血病への移行が20-35%の症例で見られる造血幹細胞のクローン性異常に基づく疾患である。高齢者に多く、有効な治療法に乏しく治癒困難な難治性疾患であるが、疾患そのものの不均一性もあり、分子機構を含めた病態の解明は十分なされていない。MDSには頻度が高く認められる染色体異常があり、それらを手掛かりに臨床病像の分類、予後の推定、さらには分子病態の解明が試みられてきている。20番染色体長腕欠失(del(20q))はMDS症例のおよそ5-8%に見られる染色体異常である。Del(20q)をもつMDS症例は、一般的に、血小板減少を高頻度に伴う一方貧血は軽い傾向があり、急性白血病への移行は比較的少なく、予後は良好とされている。一方20番染色体長腕欠失の分子遺伝学的、生物学的意義は明らかでない。MDSの分子病態の解明さらには新規治療法の開発のためにも20番染色体長腕欠失の臨床的、分子遺伝学的、生物学的意義の解明は重要である。
- 2013-03-31
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