成人急性骨髄性白血病の成績:単施設における後方視的検討

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[目的] 急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia; AML)の治療成績は近年、向上しつつあるが、依然として再発難治症例も多い。実地臨床における成人AMLの治療の現状と予後を明らかにするため、東京女子医科大学病院血液内科における最近10年間の、新規発症AML患者の臨床像と治療成績を解析した。 [方法] 2002年10 月から2012 年9月までに当院に入院した未治療AML患者96例について、寛解導入療法の種類、染色体、完全寛解率、再発率、全生存率(OS)、無再発生存率(RFS)を解析した。 [結果] 観察期間の中央値は304(1-3555)日、年齢中央値は60 (15-92) 歳であった。APLを除いた82例中62 例に寛解導入療法が施行され、46例が完全寛解に達した(完全寛解率74.2 %)。15歳以上65歳未満の完全寛解率は86.5%であった。再発は54.3%に認め、高齢者で多かった(65歳未満 46.9% vs. 65歳以上71.4%)。APLを除いたAML全体の5年OSは31.0%、10年OSは27.9%であった。65歳未満が5 年OS 52.3%に対し、65歳以上は5%と不良であった。5年RFSは全体で42.0%であり、65歳未満58.3%, 65歳以上0%であった。多変量解析において年齢65歳以上と染色体不良群がOSに対し単独で有意なリスク因子であった。 [結論] 当科の成人AML の治療成績は65歳未満については全国的な臨床試験と比較し、同等からやや良好であったが、65歳以上の高齢者については完全寛解率、OS、RFSいずれも不良であった。今後は遺伝子検査も含めたリスク層別化により、造血幹細胞移植適応などを適切に把握することが重要と考えられる。
2013-03-31

成人急性骨髄性白血病の成績:単施設における後方視的検討

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