血球貪食症候群で発症し抗利尿ホルモン不適合分泌症候群を呈した血管内大細胞型B細胞リンパ腫

概要

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症例は63歳、男性。39〜40度の発熱にて当科入院。検査データでは汎血球減少と低ナトリウム血症を認めた。骨髄検査を行い血球貪食症候群と血管内大細胞型B細胞リンパ腫(IVLBCL)と診断した。症状よりAsian variantと考えた。入院後低ナトリウム血症はさらに進行し、血清浸透圧は低く尿中ナトリウム排泄は増加していた。さらに抗利尿ホルモンは低浸透圧にもかかわらず正常であり、腎機能障害、副腎不全、甲状腺機能低下症を認めず、ADH不適合分泌症候群(SIADH)と診断した。これらの異常は水制限では改善せず、ステロイドパルス療法によっても改善せず、リツキサン-CHOP療法により改善した。再発時には再び発熱、低ナトリウム血症と汎血球減少を呈し、再度CHOP療法により改善した。われわれの症例は胸腔病変や薬剤使用歴もなくSIADHを合併し、水制限で改善せず、病勢とともに増悪改善を繰り返した。このようなAsian-variant IVLBCLの症例は稀であると考えられ報告した。
2013-03-31