急性骨髄性白血病の病型分類と染色体異常-東京女子医科大学病院血液内科の過去28年間300症例における解析-
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概要
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28年間に亘り、染色体分析を行ってきた当科の急性骨髄性白血病(AML)300例の分析結果を報告する。症例の内訳はWHO分類で特定の遺伝子異常を有するAMLとして、t(8;21)が25例、t(15;17)が36例、inv(16)が8例、t(9;11)が2例、t(6;9)が1例あった。そしてFAB分類のRAEB-T(RAEB in transformation、骨髄芽球比率20%以上30%未満の不応性貧血)と、WHO分類のMDS(骨髄異形成症候群)関連変化を伴うAMLをAML-MRC (AML with MDS-related changes) としてまとめたのが133例、その他はAML-NOS (AML, not otherwise specified)の95例であった。転座型AMLの平均年齢は有意に若く、AML-NOSとAML-MRCは高齢者に多い。生存期間分析では、転座型AML、AML-NOS、AML-MRCの順に有意に生存率が良く、また、AML-MRCの複雑核型症例は、そうでない症例に比し予後不良であり、染色体異常の内容は予後の指標となりうる。全体の染色体異常検出率はAML-MRCを含めて68.8%であった。染色体異常の内容は、これまでの報告例と大差なく、均衡型転座の付加的異常では、性染色体の欠失がt(8;21)に多く、+8、17番染色体異常、+21、+22などもみられた。AML-NOSでは染色体正常例が多く、異常率は27.4%に過ぎない。AML-MRCでは、三つ以上の互いに無関係な異常が含まれる複雑核型を有する症例の割合が高く、-5/del(5q), -7/del(7q), +8, -17/del(17p), -20/del(20q)が多くみられた。AML-MRCにみられた11番染色体の構造異常は、当科の症例ではMDS関連染色体異常を有するサブグループにしか認められなかった点が今までの報告と異なる結果であった。
- 2013-03-31
著者
-
兒玉 聖子
東京女子医科大学血液内科
-
寺村 正尚
東京女子医科大学血液内科
-
泉二 登志子
東京女子医大心研
-
森 直樹
東京女子医科大学血液内科
-
寺村 正尚
東京女子医科大学 皮膚科学教室
-
石山 みどり
東京女子医科大学
-
岡田 美智子
至誠会第二病院染色体研究室
-
岡田 美智子
至誠会第二病院
-
志関 雅幸
東京女子医科大学
-
風間 啓至
東京女子医科大学 血液内科
-
森 直樹
東京女子医科大学 血液内科
-
吉永 健太郎
東京女子医科大学 血液内科
-
三橋 健次郎
東京女子医科大学 血液内科
-
志関 雅幸
東京女子医科大学医学部血液内科学
-
志村 華絵
東京女子医科大学医学部血液内科学
-
田中 紀奈
東京女子医科大学医学部血液内科学
-
今井 陽一
東京女子医科大学医学部血液内科学
-
石山 みどり
東京女子医科大学医学部血液内科学
-
宇佐美 明美
至誠会第二病院・染色体研究室
-
岡嶋 香
至誠会第二病院・染色体研究室
-
三浦 裕子
至誠会第二病院・染色体研究室
-
兒玉 聖子
東京女子医科大学医学部血液内科学
-
泉二 登志子
東京女子医科大学医学部血液内科学
-
岡田 美智子
至誠会第二病院・染色体研究室;東京女子医科大学医学部血液内科学
-
三橋 健次郎
東京女子医科大学医学部血液内科学
-
吉永 健太郎
東京女子医科大学医学部血液内科学
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