感覚疲労検査法の測定精度と測定時間向上のための基礎的検討

概要

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近年,疲労を原因とする健康障害,交通事故,労働災害などが社会問題となっている.これらを予知し予防するには疲労を評価する方法が必要とされ,多くの疲労評価法が提案されている.我々も日常生活において簡便に測定できる指標として視覚・聴覚・触覚に対する2パルス刺激(持続時間10ms)間遅延時間と融合弁別閾値との関係に着目してきた.前報では感覚疲労検査装置を製作し,心理評価尺度とロジスティックモデルを構築した.その結果,各被験者の融合弁別閾値を1回の応答だけから推定できるようになった.しかし,音・振動刺激の場合には,クリック音等の過渡現象が問題になる場合が見受けられた.そこで,本報では過渡現象の影響を受けない2パルス刺激による測定法として,2パルス刺激間の遅延時間が50ms,1パルス目に対する2パルス目のレベル差を0dBから-40dBの範囲に設定した刺激を呈示した時,2つの刺激をどのように感じるか5段階のカテゴリーで評価し検知閾値Detection Threshold (DT)[dB]を測定する方法を提案した.また,測定を高速化するため,可聴音,骨導超音波,振動の3つのロジスティックモデルを構築し,数回の応答から検知閾値を推定することができた.その推定値は短時間に連続して測定した場合,自己調整法よりも安定していることが分かった.
2011-10-21

感覚疲労検査法の測定精度と測定時間向上のための基礎的検討

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