骨導超音波による左右耳の時間遅延ステレオ受聴に関する検討
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概要
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ヒトは頭蓋に直接音を呈示することで気導音としては認識できない20kHz以上の骨導超音波を認識できることが知られている.前報では,振幅変調超音波を復調するメカニズムを提案し,復調された可聴音の音響特性を明らかにした.本報では,左右で時間遅延をかけた単音骨導超音波(10ms)を用いて,乳様突起に骨導超音波(40kHz,10ms)を呈示した場合と,耳珠に可聴音(2kHz)により振幅変調した骨導超音波(40kHz,10ms)を呈示した場合で,「左右耳のどちらが先に感じたか」を心理実験により検討した.その結果,(a)乳様突起に骨導超音波を呈示した場合では,累積分布曲線の中央値が12.7msを示すことがわかった.この原因は,骨導超音波が硬い骨(4,080ms)を通して両内耳に直接伝搬するために,左右耳の遅延時間に関する聞き分けが難しい故であると考えられる.(b)耳珠にAM変調波を呈示した場合では,累積分布曲線の中央値が0.25msを示すことがわかった.この場合は,骨導超音波が軟骨の非線形性により可聴音が復調され,通常の気導音と同様に鼓膜を震わせていると推定される.
- 2009-10-15
著者
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