骨導音声の明瞭度推定法に関する基礎的検討

概要

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高騒音環境であっても音声を送り出す側で,十分な信号対雑音比を得る適切なマイクロホンシステムが構成できれば,良好な音声通信が可能となる.この観点から,前報[1]において,(a)頭部の各部位は発声器官の振動に伴い振動していること,(b)頭部の各部位は機械インピーダンスが大きいので,機械インピーダンスの大きな電気音響変換器と整合がとれること,(c)機械インピーダンスの大きな変換器は周囲雑音に対して不感である等の特徴を有する骨導音声用ピックアップを提案した.最近になって,骨伝導を用いた様々な商品が市販されている.しかし,それらの音声明瞭度に関しては,骨導音声の伝達経路の複雑さからあまり明確になっていない.本報告では,従来の電話系に関して開発された物理特性だけから明瞭度が推定できる明瞭度指数AI法[2]が,骨導音声用ピックアップ系[3],[4]に適用できるかどうかを検討した.その結果から,AI法は骨導音声伝達系でも有効であるが,音声実効値スペクトルにピークファクタ12dBを加えた骨導音声信号スペクトルと雑音の実効値スペクトルとのレベル差に関する重み係数の補正が必要であることなどがわかったので報告する.
2006-10-19