許容等価騒音レベル推定のための「うるささ」騒音計とその有用性

概要

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騒音の定義が「望ましくない音」であって,全く主観的なものである故に,物理量である等価騒音レベルL_<Aeq>で規定された現行の環境基準では人によっては不十分となりえる.前報では,騒音の心理的側面を表す「うるささ」の程度(全く気にならない,気にならない,あまり気にならない,少しうるさい,うるさい,かなりうるさい,非常にうるさい)と等価騒音レベルとの対応関係(騒音評価尺度)が人の感度によって移動する事実から,「あまり気にならない」と「少しうるさい」の境界を心理的側面の許容値と定義し,評価尺度を介して許容等価騒音レベル(ANL:Acceptable Noise Level)を推定するロジスティックモデルを構築した.本報では,そのモデルに従った「うるささ」騒音計を製作し,一般学生と幹線道路沿いの住民に対する現場試聴実験から,その有用性について検討した.結果から,(a)被験者の心理的反応の経年変化(1982年〜2009年)は少ないと言えること,(b)幹線道路沿いの住民44名のうち91.8%のANLは環境基準45dBを上回り,「慣れ」現象の一端を伺い知ることができた.
2009-10-15