測定条件の不確定性が自然対数回帰モデルによる音響パワー推定に及ぼす影響

概要

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前報[1]では,測定点数を少なくするために,自由空間における自然対数回帰モデルを用いた音響パワーレベル測定を報告した.しかし,自由空間内に有限長の反射物体がある場合の音響パワーレベル測定については検証されていない.本報では,音響インテンシティ法を用い,測定条件として台の上に音源を置いた場合などの不確定性要素がパワーを求める際,測定ポイントや精度にどのような影響を受けるか検討した.その結果,自然対数回帰モデルを用いた測定方法で,自由空間において点音源の場合は500〜1600Hzまで1dBの測定精度で,正負二重音源の場合は正のみの2ポイントで2〜3dBの測定精度で,正負の4ポイントで約1dBの測定精度で測定できた.音源の下に台を置いた場合,音源と台との距離が0cmであれば1ポイントで,距離が10cmまでなら2ポイントで信頼できる値で測れることがわかった.10cm以上音源と台との距離を広げると,回折効果や指向性の変化により信頼できる値で測るには,測定点数を増やすことが必要である.
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-10-20