強弱関係の演出を可能にする香りの提示手法

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概要

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近年,映像メディアとともに香りを用いることで臨場感を高める試みが注目されている.その映像メディアには複数の物体が同時に描写されていることが多く,また同時にそれらの物体の間には空間的な位置関係が存在する.それに合わせて複数種の香りを配信することによってさらに臨場感が高まると考えられる.しかし,これまで複数の香りを同時に提示する手法は研究されてこなかった.そこで著者らは微小時間の香り提示であるパルス射出を用いて,2つの香りを同時に感じさせ,さらに強弱関係を演出する提示手法の構築を目指した.様々な香りの提示パターンに対する嗅覚特性を測定した結果,2つの香料の使用射出量と提示頻度を変えることで,強弱関係の演出に適した手法を構築した.構築した提示手法により,約9割の人に強弱関係を感じさせることに成功した.今後,映像に香りを付加する際,この手法を用いることによってより臨場感を高めることができると期待される.
2010-03-15

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