2次トリアージを用いた傷病者情報管理システムの提案

概要

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多数の傷病者が同時に発生する大規模災害において,十分な救命活動を行うための医療資源が不足になることが多い.そこで,特に緊急に治療を要さない軽症病患者や中等症患者の治療を一時的に遅らせ,緊急度が高く助かる見込みのある傷病者を優先して救命するトリアージ (選別) と呼ばれる手法が災害時救急救命に導入されている.トリアージは,1 度限りでは不十分であり,2 次,3 次トリアージを繰り返し行うことが有効である.また,トリアージの段階が進むに連れて選別の手法を変化させる必要もある.従って,我々は,1 次トリアージ後の傷病者を対象とした 2 次トリアージを行うシステムを提案し,構築した.本システムは,1 次トリアージで収集した生理学的所見を監視した上で,2 次トリアージ時に解剖学的所見,受傷機転,災害弱者を新たに加味させた傷病者情報を入力し,その情報を伝達するシステムを提案する.これにより,1 次トリアージからは得られなかったより精度の高い優先度が決定され,トリアージが迅速に行われると共に医療従事者間の意思疎通を支援することで救命救急活動の効率が向上すると期待される.
2011-01-14