チェックイン・チェックアウトモデルを適用したMR遠隔協調作業システム

概要

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近年,実物体を用いて行う遠隔コラボレーションシステムでは,複合現実感(Mixed Reality)技術を用いて,遠隔間でユーザが所持している実物体を機械的な仕掛けなしで状態を共有していくことが実現されている.しかし,これらのシステムは共有するという点を重要にしているため,協調作業における相手に見せたくなかったり相手が見たくなかったりする情報を利用できなかった.そこで本研究では遠隔協調作業においても相手に作業を干渉されない個人空間を共有空間と併用できないかと考え,今回「チェックイン・チェックアウトモデルを適用したMR遠隔協調作業システム」を提案する.作業空間に対してMR技術を利用して,これまで共有空間のみであったMR空間に同じ3次元空間として個人空間を構築することで,チェックイン・チェックアウトモデルを空間に適用する.これにより,空間を使い分けて作業ができるようになるため,共有したい情報やタイミングだけ共有できる遠隔協調作業が実現でき,扱える情報や作業の幅を広げることができる.本研究ではこの提案概念を実現するためにシステムを実装し,評価実験によってこの提案手法の有効性を確認した.
2011-01-15