極域成層圏からの惑星リモートセンシングを目指した気球搭載望遠鏡(大気球研究報告)
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概要
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惑星大気・プラズマ中で起こる時間変動現象を研究するためには長期連続観測が重要である.極域成層圏の特殊性を利用して惑星を連続観測することを目的とした気球搭載望遠鏡を開発している.口径300mm のシュミットカセグレン望遠鏡が気球ゴンドラに搭載される.ゴンドラはコントロールモーメントジャイロ,デカップリング機構,各種姿勢センサーを使って姿勢制御され,極域成層圏に 1 週間以上滞留可能な性能を持つ.ゴンドラ姿勢制御,望遠鏡経緯台による天体捕捉,2 軸ティップティルトミラーによる追尾誤差補正によって,目標天体を0.1"rms の精度で捉える.金星をターゲットとして,最初の気球実験が 2009 年6 月3 日に北海道大樹町において実施された.4:10 に放球され,その後2 時間,システムは正常に動作した.高度約 14km でのレベルフライト時に太陽捕捉の実験を行った.ゴンドラ姿勢制御を開始するとゴンドラの方位角は振動しつつ収束し,数分間,方位角誤差は1°rms の範囲内に収まった.残念ながら搭載コンピュータの不具合により,金星捕捉は叶わなかった.しかし,サンセンサーのビデオ信号から,姿勢制御していない状態でのゴンドラの方位角角速度は20°/min 以下であることがわかった.地上試験も含めた今回の気球実験結果から,気球望遠鏡システムの姿勢制御,天体捕捉・追尾の原理は有効であることが確証された.今後の実験へ向けて,より信頼性が高い搭載コンピュータに改善していく.
著者
-
田口 真
立教大学理学部
-
荘司 泰弘
東北大学大学院工学研究科
-
坂本 祐二
東北大学大学院工学研究科
-
吉田 和哉
東北大学大学院工学研究科
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高橋 幸弘
北海道大学大学院理学院
-
寺口 朋子
東北大学大学院理学研究科
-
大西 智也
東北大学大学院工学研究科
-
Steve Battazzo
東北大学大学院工学研究科
-
佐藤 隆雄
東北大学大学院理学研究科
-
星野 直哉
東北大学大学院理学研究科
-
宇野 健
東北大学大学院理学研究科
-
吉村 淳
立教大学理学部
-
高橋 幸弘
北海道大学・大学院理学研究院
-
高橋 幸弘
東北大学
-
高橋 幸弘
北海道大学
-
高橋 幸弘
北海道大学 大学院理学院 宇宙理学専攻
-
高橋 幸弘
北大理・宇宙
-
高橋 幸弘
北海道大学大学院理学院宇宙理学専攻
-
莊司 泰弘
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所
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