実践場面におけるGTA(Grounded Theory Approach)の可能性 : ミクロ分析とオープン・コーディングの再検討
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概要
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既に修士論文で学校の様々な実践場面と研修をGTAによって理論化する研究が私の研究室で行われており、小・中・高等学校の現職教員院生は実践研究にGTAが適しているという評価をくだしている。しかしながら、この領域でのGTAの研究成果が蓄積されていないこともあって、学校の実践場面に適した分析方法はいまだ確立されておらず、その分析には大変な苦闘がともなう。そのために私は、既存のGTAの改善を試みているが、改めて、この改善自体をGTAの理論に則して再検討し、その改善の精緻化を図ることが必要であると認識している。今回は分析プロセスの最初のステップで躓くデータの切片化を扱う。本稿はStrauss & Corbin版の切片化を実践分析に適合できるように改良している。すなわち、相互行為が展開される場面を意味文脈によって区切られた状況にわけ、ここに関係するデータ群を切片として、コーディングする。この方法は現職教員より実践とのフィット感があるという評価が得られている。Our intent is to improve the slicing of data in open coding. A.Strauss & J.Corbin (1988) make tools of microanalysis. Microanalysis is the detailed line-by-line analysis. The slice of data is the detailed line-by-line of data. It is too hard for graduate students to operate this analystic tool.The procedures of our improvement is the following: ① Grouping the data after context(the grouped data is the slice of data), ② discriminating properties from data in each slice, ③ labeling the common property by comparing properties. Our graduate students were able to make microanalysis by using this analystic tool smoother than before.
- 2008-02-28
著者
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