生徒の日常性をどこまで構成できるか : 逸脱行為者が学校に「居やすさ」を求める日常性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿はJ.ハーバーマスのコミュニケイション的行為研究法の開発研究第2報になる。中学生の逸脱行為をインタビューからどこまで叙述できるか。この方法の開発が今回試みられる。ここで採用される分析方法はテキスト解釈学の方法でインタビューはテキストとして扱われる。従来はエソノメソドロジーが有力な方法であった。たしかにその方法では生徒の規範的行為は解釈できる。しかし逸脱行為は日常生活世界における事実認識・規範意識・身体表現の諸相が様々な場面に未分化な形で現れる。エソノメソドロジーではこの<状況>を叙述することは難しい(増井他(1):235以下)。本稿はこの複雑で未分化な行為<状況>をコミュニケイション的行為研究法で分析を試みた。分析は逸脱行為の<状況>をその行為の意味づけによって構成した。かかる<状況>では逸脱者が主役となり周りの生徒が観客となる「親密圏」が生み出されており,それは逸脱者に「居やすさ」の意味を付与された意味空間であった。
- 上越教育大学の論文
- 2005-09-30
著者
関連論文
- GTA(Grounded Theory Approach)におけるフォーマル理論の可能性
- 実践場面におけるGTA(Grounded Theory Approach)の可能性 : ミクロ分析とオープン・コーディングの再検討
- GTAにおけるレベル1の概念化 : 実践場面における質的研究法(2)
- 現代ドイツにおけるネオナチ・ユーゲントの文化(6)
- 現代ドイツにおけるネオナチ・ユーゲントの文化 (5)
- 保健室の会話記録から相互行為をどこまで読み取れるか : ハーバーマス「コミュニケイション的行為論」の可能性(2)
- 自己調整学習の視点から学習指導を考える(自主シンポジウムE5)
- シンポジウム討論のまとめ(戦後教育史の可能性を探る,(2)シンポジウム,II 教育史学会第50回大会記録)
- 別府 昭郎 著,『ドイツにおける大学教授の誕生 : 職階制の成立を中心に』, 創支社刊, 1998年3月発行, A5判, 336+30頁, 定価6,800円
- 〈特別寄稿〉現代ドイツにおけるネオナチ・ユーゲントの文化(2)
- 実践場面における質的研究法
- 生徒の日常性をどこまで構成できるか : 逸脱行為者が学校に「居やすさ」を求める日常性
- 保健室の会話記録から相互行為をどこまで読み取れるか : ハーバーマス「コミュニケイション的行為論」の可能性(1)
- 現代ドイツにおけるネオナチ・ユーゲントの文化(4)
- 近代ドイツの教会・学校行政機構図(III)
- 近代ドイツの教会・学校行政機構図(II)
- 近代ドイツの教会・学校行政機構図(I)
- 現代ドイツにおけるネオナチ・ユーゲントの文化(3)
- 現代ドイツにおけるネオナチ・ユーゲントの文化(1)
- 読書する農民 : プロイセン近代民衆啓蒙史像の再検討
- 教会・学校査察文書の史料的価値
- 教区における社会的紀律化空間 : 教区査察による公的生活圏の創出
- 18世紀末ノイホラント教区の世界 : 農民日誌にみられる農民の世界像と日常行為
- 山崎彰著, 『ドイツ近世的権力と土地貴族』, 未來社, 2005年1月, 391+xviii頁, 12,600円
- 18世紀プロイセン教区の統合化機能 : 村落学校の規律化機能
- 自己調整による思考の変容可能性 : 大手町小学校「学びのノート」の分析
- 文章構成におけるメタ認知活動の質的研究:大手町小学校1年生の事例研究
- 浅野啓子・佐久間弘展編著, 『教育の社会史-ヨーロッパ中・近世-』, 知泉書館, 2006年12月, viii+301頁, 3,360円
- 保健室の会話記録から相互行為をどこまで読み取れるか : ハーバーマス「コミュニケイション的行為論」の可能性(1)
- 会員調査にみる教育史学と学会に対する意識構造
- プロイセン三月前期州議会審議における「私」「公」言説 : 教育史研究にみられる国家認識再考
- 西洋教育史の研究動向
- 18世紀プロイセン農村学校における基礎学力