教会・学校査察文書の史料的価値
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概要
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1992年10月,筆者はベルリン市ダーレムドルフにあるプロイセン枢密国立文書館の前に立つことができた。1979年に小樽の地で初めて同文書館の教会・学校査察文書の存在を知り,以降これを直接解読してみたいという思いを,刊行された史料を読むたびに,心の隅に抱き続けてきた。13年目にしてその思いがかなったが,しかしすぐには文書館の重厚な扉を開けることはできなかった。はたして文書館を利用して文書を読むことができるのか。その逡巡が不安に変わった。その後文書館に入館し,利用法の説明をうけ,文書をひたすらに読む機会に恵まれた。しかしその利用法の第一歩からさえも失敗の連続であった。当のドイツ人研究者でさえその一歩で戸惑っていた。まして筆者のような全くの初心者はなおさらであった。いまでもあの時の心理状態がまざまざと思いだされる。その一方で日本語版文書館利用方法があったらあの逡巡と不安を解消できるのではないかと思い続けてきた。そこで,上記の文書館利用法と教会・学校査察文書の史料的価値について紹介し,これとドイツ文字筆記体の変形書体を参考に供したい。
- 上越教育大学の論文
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