ヘルス・ボランティア指向のある看護大学生の『身近な健康問題とケア』の認識とボランティア経験
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概要
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看護学生の地域でのプライマリ・ヘルス (身近な健康) 関連ボランティア活動を,大学として積極的に支援する学習プログラム(「サービス・ラーニング」)の開発が重要となってきている。本研究の目的は,ヘルス・ボランティアを指向する看護大学生が認識する身近な健康問題とケア,ボランティア活動経験,そして学生がボランティア活動に際し望む支援体制を明らかにすることである。研究参加者は,公募で応募したボランティア指向のある看護大学生16名であった。研究方法は,フォーカス・グループ(Kreuger,2000)で研究者らが開発したインタビューガイドを用いて得た情報を逐語録とし内容分析した。計画書は,聖路加看護大学研究倫理委員会で審査され承認を得た。結果,看護大学生の身近な健康課題は生活習慣や人間関係における精神的ストレスで,学生は,これらの身近な健康課題を認識しているが行動に移せない状況を語った。学生にとって身近な他者とその健康問題は,離れて暮らす家族の慢性疾患管理や友人の悩みで,それらの相談にのる等で,大学で学んだ健康知識や健康サービス情報をケアに活用していた。研究協力者のうち13名がボランティア経験を持ち,進学を意識し,病院ボランティアの経験を持つ者もいた。活動の場として,病院や在宅ケアでの,また開発途上国でのボランティアが語られた。看護大学生の身近という範囲は家族や友人であり,地域・社会でのボランティア活動は身近とは認識されていなかったが,その経験からの学びを得ていた。学生の身近な健康(プライマリ・ヘルス)に関連する活動を支援するプログラム開発を早急に大学として検討していく必要があることが示唆された。本研究は平成14年度科学研究費助成金により行った。
- 聖路加看護大学の論文
- 2004-06-23
著者
-
荒木田 美香子
浜松医科大学
-
菱沼 典子
聖路加看護大学
-
川越 博美
聖路加看護大学看護実践研究開発センター
-
村井 文江
筑波大学医療技術短期大学部
-
田代 順子
聖路加看護大学
-
森 明子
聖路加看護大学
-
三橋 恭子
聖路加看護大学
-
川越 博美
聖路加看護大学看護実践開発研究センター
-
川越 博美
聖路加看護大学
-
小澤 道子
聖路加看護大学
-
野口 真貴子
東京大学大学院医学系研究科
-
野口 真貴子
東京大学大学院
-
三橋 恭子
前聖路加看護大学
-
田代 順子
聖路加看護大学 国際看護学
-
田代 順子
聖路加看護大学 看護学部
-
村井 文江
筑波大学大学院人間総合科学研究科看護科学専攻
-
荒木田 美香子
浜松医科大学医学部看護学科
-
村井 文江
筑波大学医学医療系
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