「意識障害のある患者における背面開放端座位と瞬目回数の関連」

概要

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意識レベルが低下した患者に対する看護活動に、背もたれのない座位をとる背面開放端座位がある。この姿勢は、意識の覚醒に効果があると考えられているが、その根拠は未だ明らかでない。本研究は、瞬目回数を指標として、背面開放端座位が遷延性意識障害患者の意識レベルに関係するかどうかを明らかにすることを目的とした準実験研究である。ジャパンコーマスケールのII〜IIIの意識レベルにある4事例で、各事例について複数回の背面開放端座位を行い、延べ42データを収集した。1回につき安静仰臥位・背面開放端座位(声かけなし)・背面開放端座位(声かけあり)における各3分間の瞬目回数を測定した。この時声かけを先に行うか、後に行うかの時間的影響を考慮して2パターンを設置した。得られた瞬目回数の平均値を、対のあるt検定を用いて比較、検討した。その結果、瞬目回数の平均値は安静仰臥位で12.6、声かけなしの背面開放端座位で20.6、声かけありで18.7であった。背面開放端座位の経過時間による瞬目回数に差はなく、2パターンから得られた総データを用いて分析したところ、背面開放端座位の方が安静仰臥位より有意に瞬目回数は増大した(p<0.01)。また背面開放端座位の中では、声かけがない方がある方より有意に瞬目回数が増大した(p<0.05)。これらの結果から、意識レベルの低下した患者に対し、背面開放端座位を導入することによって覚醒を促す可能性が示唆され、また瞬目回数がその指標となりうることも示唆された。
聖路加看護大学の論文
2001-06-30

「意識障害のある患者における背面開放端座位と瞬目回数の関連」

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