紫果物時計草の果実の発育, とくに仮種皮の発育について
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概要
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紫果物時計草purple passion fruit, Passiflora edulis Simsの開花から果実成熟までの果実諸形態の経時的推移を調査した.仮種皮及び種子の発達は光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡により観察した.得られた結果は次のとおりである.1.果実の生長は, 成熟までに単一S字型生長曲線を示し, 特に開花後の初期生育が旺盛であった.2.果実の縦径, 横径は開花後21日までにそれぞれ最大長の94.3%, 95.6%までに増加した.果実重は, 開花後21日までに最大重の84.4%に, 開花後49日で最大重に達した.3.種子の縦径, 横径は開花後21日で成熟時とほぼ同じ大きさに達した.種子重は開花後21日までに旺盛な増加が見られ, 開花後49日で最大重になった.4.仮種皮は胚珠の下部組織から発達した.仮種皮の分化は開花後7日に, 仮種皮の細胞肥大は開花後21日には認められた.仮種皮長は開花後28日までに急激な増加をし, 開花後42日で最大長になった.一方, 仮種皮重は開花後21日から漸増し, 開花後56日に最大重となった.5.珠柄は長さ, 直径ともに開花後35日で最大に達した.6.胚は開花後14日には4〜8細胞期, 21日魚雷期, 28日ハート期にと発育した.胚乳は開花後21日までは遊離核の状態にあったが, 28日までには細胞壁形成が完了した.
- 鹿児島大学の論文
- 1987-03-16
著者
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