紫果物時計草の花の形態と結果に関する研究
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概要
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本研究では紫果物時計草の花型と結果との関係を明らかにするため, 1978年〜1980年にわたって, 各花型の着生, 開花結実の状況を経時的, 経日的に調査するとともに, 花粉の発芽を検討した.その結果は次のとおりである.1.紫果物時計草の花は早朝開花し, 夕刻より夜半に閉花した.もっとも特徴的な雄ずい, 雌ずい器管の展開は13時〜15時に行われた.紫果物時計草の花は開花時の花柱ならびに柱頭の形状と葯との位置関係から接触型Normal type, 接近型Recurvate typeおよび直立型Upright typeの3型に分けられる.前二者は形態的にはほぼ似ているが, 直立型は前二者に比べ, 花の直径, がく片, 花弁長, 花柱長, 柱頭の長径および短径, さらに子房の長径が明らかに小さい.2.6053花を実験に供用したが, それらは接触型76%, 接近型17%および直立型7%であった.3.人工受粉を行った自花受粉花の結果率は接触型花では94.2%, 接近型花89.5%直立型花0%であった.直立型花花粉を受粉した接触型花は84.2%, 接近型花は60.4%の結果率をしめしたが, 各花型花の花粉を受粉した直立型花はいづれの場合も結果率は0%であった.4.直立型の柱頭, 花柱上部および下部, 子房など各部位の圧搾汁を塗布した人工培地上では接触型および直立型の花粉は柱頭および子房部の圧搾汁液塗布区では極くわずかながら発芽するものが見られたが, 花柱圧搾汁液を塗布した区では発芽は全く見られなかった.一方接触型花の柱頭花柱圧搾汁を塗布した人工培地では直立型花の花粉の発芽は16.24%であった.
- 1981-03-19
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