桑葉離落過程の電子顕微鏡による観察
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概要
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1977年10月末に自然落葉直前の, また1978年9月には落葉の徴候のない, クワ品種'収穫一'に, ともに3000ppmエスレル(2-chloroethylphosphonic acid)を散布し, 葉の離層部を採取して走査型電子顕微鏡で離落の過程を観察した.さらに1979年7月にも同じクワに3000ppmエスレルを散布して, 葉の離層部を透過型電子顕微鏡で観察した.自然落葉直前の葉では, エスレル処理によって離落は細胞壁中層の溶解によると思われるように, スムースに行われた.夏の葉ではエスレルによる離落は細胞壁の切断によって生じた.走査型電子顕微鏡による観察では, 細胞の亀裂は離層部の芽とは反対側の表皮に近い部分から始まり, 維管束部, 芽の側の表皮部へと及ぶことが認められた.仮導管のひきちぎれも観察された.透過型電子顕微鏡で細胞壁の切断が観察され, 細胞内容物が外に流出し, 細胞質が突起を示しているのが認められた.その後離脱面をクチクラ状の沈着物がおおい, 細胞も伸長した.
- 鹿児島大学の論文
- 1982-03-19
著者
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