屋根かけハウスと露地栽培ポンカンの開花と落果(花)
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概要
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屋根かけハウス栽培ポンカンにおける開花と落果(花)の波相およびそれらと花器の形状, 花梗枝の着葉数との関係について, 露地栽培ポンカンと比較しながら明らかにした.1.屋根かけハウス栽培ポンカンでは露地栽培ポンカンより2日早く開花し, 開花始めから開花のピークまでの日数も短かった.2.屋根かけハウス樹ではいずれの着葉数の花も露地樹よりも多く, 調査枝あたりの着花総数も大幅に多かった.3.屋根かけ樹では正常花の割合が81%であったが, 露地樹では正常花は61%, 雄ずいの異常花は27.4%, 雌ずいの異常花は11.6%であった.奇形花の発生は早期開花で多かった.4.両栽培方式のポンカンでも, 開花期と満開後1か月〜2か月頃の2回にわたる落果(花)のピークがあった.5.屋根かけハウス樹では露地樹に比べて落蕾と第1次生理落果(花)が少なく, 第2次生理落果は早く始まった.生理落果期間も露地樹より短かった.6.屋根かけハウス樹では結実率3.7%と, 露地樹の結実率8.8%より低かったが, 着花量も大幅に多かったために, 枝あたりの結実数は露地樹よりも多かった.7.屋根かけハウス樹では, 早期開花のもので開花始めから14日後の5月7日に落果(花)のピークがあったが, 早期, 中期, 後期開花とも第2次生理落果は, 5月下旬から6月下旬までの約1か月間明確であった.8.露地樹では, 早期開花のものでは, 開花始めから20日間の落下が極めて多く, 第2次生理落果のピークは低かった.中期および後期開花のものでは, 6月上旬から7月下旬までの約2か月間高い落果率で推移した.9.各開花時期ごとの結実率をみると, 屋根かけハウス樹では, 早期開花で1.7%, 中期開花で4.7%, 後期開花で4.5%であった.露地樹では, 早期開花で6.2%, 中期開花で8.5%, 後期開花で12.7%であった.10.両栽培方式のポンカンでも直花が最も多く, 花梗枝の着葉数が増加するにつれて開花数が減少した.11.両栽培方式でも, 直花の結実率は極めて低く, 着葉数3〜5枚の花の結実率が高かった.
- 鹿児島大学の論文
- 1989-03-15
著者
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