エスレルによるポンカン果実の着色促進
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概要
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1.ポンカン果実の着色や成熟に及ぼすエスレルの影響を調べるため3カ年にわたり4個所で実験を行なった.2.第1実験では10月17日にエスレル150ppmまたは300ppmを散布した.第2実験ではエスレル150ppmまたはメチオニン1200ppmを11月8日または11月29日に散布した.3.エスレルは着色を促進し, 濃度は高い方が, 散布時期は早い方が効果は高かった.しかし糖, 酸からみた成熟にはエスレルの影響は認められなかった.エスレル300ppmでは落葉が多かった.メチオニンは果実の着色, 糖, 酸, ス上がりにはなんら影響を及ぼさなかった.4.第3実験では10月25日にエスレル200ppm, ジベレリン200ppm, またはエスレルとジベレリンを併用散布した.第4実験では春のジベレリン散布と秋のエスレルまたはジベレリン散布をくみあわせた.濃度はともに200ppm, 春散布は5月7日と15日の2回, 秋散布は10月25日であった.5.エスレル散布は果皮の着色を促進し, このため収穫が1〜2週間早くなる可能性が認められた.一方春のジベレリンはなんら影響を及ぼさなかったが, 秋のジベレリンは果皮の着色を遅らせた.しかし果実中の糖, 酸, あるいはエタノールやアセトアルデヒド含量からみた果実の成熟あるいはス上がり発生にはエスレル, ジベレリンともになんら影響を及ぼさなかった.エスレルの濃度200ppm以下では落葉はほとんど認められなかった.
- 鹿児島大学の論文
- 1977-03-19
著者
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冨永 茂人
園芸生産学
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富永 茂人
鹿児島大 農
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冨永 茂人
(現)農林省四国農業試験場
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大畑 徳輔
Laboratory of Pomology
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岩堀 修一
Laboratory of Pomology
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岩堀 修一
果樹園芸学研究室
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大畑 徳輔
(前)鹿児島大学
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