鹿児島県における黒毛和種, 種雄牛の産肉能力について

概要

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本研究は, 1973年度から1975年度までの間に, 鹿児島県経済農業協同組合連合会により実施された肉用牛パイロット事業による産肉成績をもとにして, 各年次ごとに黒毛和種(雄去勢牛)の産肉成績の種雄牛間の比較, 主要産肉形質の遺伝率の評価や, それぞれの形質間の表型相関係数および遺伝相関係数について分析を行なったものである.その結果の大要は次のとおりである.1)1973年度から1975年度までの間の各形質の平均値はつぎのとおりである.肥育開始時日齢262.6〜274.9日, 肥育開始時平均日齢体重261.4〜271.7kg, 肥育開始時平均日齢体重0.906〜1.015kg, 肥育日数397.6〜441.0日, 肥育終了時体重545.5〜563.2kg, 肥育期間平均1日増体量0.679〜0.737kg, 枝肉歩留58.7〜59.4%および脂肪交雑1.20〜1.40.2)各年次における肥育開始時日齢, 肥育開始時体重, 肥育開始時日齢体重, 肥育日数, 肥育終了時体重, 肥育期間平均1日増大量, 枝肉歩留および脂肪交雑のそれぞれの形質について調査した結果, いづれの形質においても, 種雄牛間の差異が見られた.3)種雄牛の産肉能力の比較から, 1日増体量のすぐれた産肉系種雄牛と脂肪交雑のすぐれた肉質系種雄牛との2つの種雄牛群が評価された.4)肥育開始時平均日齢体重, 肥育期間平均1日増体量, 枝肉歩留および脂肪交雑における遺伝率は, それぞれ0.110〜0.182,0.085〜0.320,0.113〜0.350および0.134〜0.240と推定された.5)各形質間の遺伝相関係数と表型相関係数を分析した結果, 特に, 1日増体量と脂肪交雑との間には, 表型相関で0.075〜0.145また遺伝相関で-0.631〜-0.788と評価された.また, 開始時日齢体重と平均1日増体量, 終了時体重の間にはお互に正の遺伝相関が認められ, これらの特質と脂肪交雑の間には負の遺伝相聞が認められた.
1977-03-19

鹿児島県における黒毛和種, 種雄牛の産肉能力について

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