乳牛精液性状の季節的変動に関する研究

概要

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鹿大農学部繋養種雄牛, エフ・ウォーカー・グローズ・ロベルの6〜9才にわたる4カ年の精液性状についてとりまとめ, 次の様な結果を得た.また, 同時に鹿児島県人工授精所繋養牛2頭の6〜8カ月間の精液性状の検査結果もつけ加えた.(1)6〜9才にわたる精液性状についてみると, 年による変異が認められるが, 年次経過に伴う精液性状の低下は認められなかった.すなわち, 本牛は6〜9才の間良好な造精能力を維持していた.(2)精液量, 精子濃度, 全精子数, 奇形精子率, pHにおいて季節間に有意の差が認められた.(3)月間の最も明らかな変化は奇形精子率にみられ, 8月, 9月に著しく増加した.精子濃度, 全精子数は9月, 10月に低下し, 12月に最高の値を示し, 精子運動力も9月に低下する傾向が認められた.(4)最も精液性状に関連があると推定される気温について, 各種精液性状との相関を求めてみた結果, 奇形精子率(+0.41), 精子濃度(-0.17)および総精子数(-0.17)との間に有意の相関が認められた.これら一連のデーターから, 精液の質は晩夏または秋に悪く, 12月にすぐれており, また, 夏季の高温は1〜2カ月遅れて, 精液性状に有害効果をあらわすものと考えられる.(5)人工授精所繋養牛の附加的観察によって, 個体間に大きな差があることが認められた.
鹿児島大学の論文
1968-02-15

乳牛精液性状の季節的変動に関する研究

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