家鶏の性成熟における環境支配に関する研究 : 1.性成熟に伴う生体機構の変動
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概要
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単冠白色レグホン種雄鶏130羽を用い, 初生雛より150日令までの下垂体前葉性腺刺激ホルモン力価および各種内分泌腺, 臓器の変動を経時的に測定して, つぎのような成績を得た.1)精巣増量は90日令までが急速で, とくに60〜90日令間に, その傾向が顕著であつた.150日令においては全鶏の精管中に, ほぼ成鶏のそれに近い精液量および正常精子が認められた.2)下垂体前葉重量ならびに性腺刺激ホルモン力価は, 30日令より90日令に達する間に急激な増大を示し, 増加の傾向は互に類似していたが, 精巣重量増加より, 先行していることが認められた.3)鶏冠重量は, 150日令までは精巣重量と同様な変動を示すが, 雄性ホルモン分泌の指標として用いられている鶏冠面積(L×H)による性成熟の推定は, 120日令までが推定可能限度で, それ以後は鶏冠の幅を考慮に入れなければ妥当性を欠き, L×H×Wを以つてあらわすのがよいと思われる.4)脈管豊多体は90日令までに大体成鶏の重量に等しくなり, それ以後は主として色調の変化が主体をなし, 成鶏では鮮紅色を呈していた.5)各内分泌腺および臓器重量は, ファブリシウス嚢を除き, 一般に日令が進むにつれて増大するが, これを単位の体重当りに補正した値の変動で比較すれば, 大体三つの型に分けることができる.すなわち, 精巣, 脾臓のように日令とともに増大を続けるもの, 下乗体前葉, 松果体, 副腎, 肝臓のように減少を続けるもの, ならびに胸腺, 膵臓およびファブリシウス嚢のように初期に増量著しく, 一度ピークに達した後, 減量を示すものの3型である.
- 鹿児島大学の論文
- 1962-03-25
著者
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