豚の飼料と脂肪組成に関する研究 : とくにガスクロマトグラフィーによって分析した脂肪酸組成について

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7カ月令のバークシァ種去勢豚5頭を用い飼料と体脂肪の脂肪酸組成の関係を追求した.H区には硬脂肪をつくる飼料を, S区には軟脂肪をつくる飼料を給与し, またY区には黄豚をおこし易い乾燥さなぎを配合し, 3区ともTDN, DCPを飼養標準に合わせた(Table I).脂肪酸組成はleaf脂肪, loinの上層および下層脂肪, bacon, hamおよびshoulderの皮下脂肪を採取し, ガスクロマトグラフィーで分析した.給与飼料のエーテル抽出脂肪についても, 同様に分析を行ない, 飼料中の脂肪酸が体脂肪の脂肪酸への移行も併せ検討した.以上の実験成績の概要は次のとおりである.(1)3区の間に成長の状態, 屠体についての測定値, 肉眼的所見ならびに風味には差異が認められなかった.(2)ガスクロマトグラムに明らかに認められる脂肪酸はC_<12>, C_<14>, C_<16>, C^<1=>_<16>, C_<18>, C^<1=>_<18>, C^<1=>_<20>であったが, これらのうちC_<16>, C_<18>, C^<1=>_<18>が大部分を占めていた.(3)飽和脂肪酸の割合は各部位とも常にH区が多く不飽和脂肪酸の割合はS区が最も多い傾向があった.(4)飼料中の脂肪酸は, Y区ではC^<1=>_<20>, S区ではC^<1=>_<18>, H区ではC_<16>が他区のそれに比較して多い結果が得られた.(5)Y区における豚体脂肪はC^<1=>_<20>が多く, H区ではC_<16>が多いが, これは明らかに飼料中の脂肪酸組成の影響をうけているものと考えられる.(6)loinの外層と内層, およびleafの脂肪酸組成を比較した場合, 体表面に近い部位ほどC^<1=>_<18>, C^<2=>_<18>が多い傾向が認められる.
鹿児島大学の論文
1966-12-26

豚の飼料と脂肪組成に関する研究 : とくにガスクロマトグラフィーによって分析した脂肪酸組成について

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