鶏の血液, 血漿, 血清のpHについて : 雄鶏の副生殖器官液のpHとの関連
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概要
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雄鶏の血液, 血漿, 血清のpHを追求し, 雄鶏の副生殖器官液との関連を検討した.その結果は次の通りである.1.鶏の血液のpHは, 40℃の測定温度で平均7.5であり, 測定温度の低下に伴つて有意に上昇した.測定温度(Y)とpH(X)との関係は, Y^^^=7.90-0.0100Xで表わされた.2.血漿のpHは, ほとんど全血のpHに等しく, 測定温度によつても, 全血に類似したpH値の違いを生じた.さらに, 血漿は分離温度によつても影響を受け, 低温分離のものが, やや高い値を示した.3.血漿が空気に触れるときには, pHは急激に上昇し, 充分空気に触れた後には, pHは9に達した.しかし, pH上昇の速さは, 空気との接触状態によつて大いに異なつていた.4.血漿を空気に触れないように保存したときも, 日数の経過に伴つて, pHは徐々に高くなつたが, その上昇速度は極めて遅かつた.5.血清のpHは短時間内では, 空気に触れた血漿とほぼ同程度に, 急激に上昇したが, 1日後に血塊より分離した血清のpHは, 同一状態の血漿のpHより有意に低かつた.血漿, 血清のpHは作成の状態, 保存期間により, 大いに異なるので, 空気に接触した状態の血漿, 血清のpHを示すことは困難である.しかし, 同一状態で作成, 測定した値は, ほぼ同様であつた.6.雄鶏の副生殖器官液のpHは血漿のpHより, やや低いが, 大差はなく, 空気に接触すれば, 同様にpHの上昇が認められた.
- 鹿児島大学の論文
- 1963-03-25
著者
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西山 久吉
Laboratory of Zootechnical Science
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藤島 通
Laboratory of Zootechnical Science
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西山 久吉
Laboratory Of Animal Reproduction
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